
「ここ3年で、学校はガラリと変わってしまいました。3年前までは持ってくることを禁止していたiPadやiPhoneを教育活動に利用しているのですから、信じがたいとしか言いようがありません」
そう、ため息交じりに話すのは幸子さん(59歳)だ。
定年を前に全くわからないことに対処しなければいけなくなった彼女の嘆きは大きい。
「私の勤めている学校では、昨年、生徒全員にiPadが配布されました。コロナウィルスに感染したり、濃厚接触者になってしまったりしたら、そのiPadにZoomというものをダウンロードして、それを通して授業を受けたり、メールなどで提出物を提出するようになったんです」
スマホは、電話とメールしか使っていなかった幸子さんは、講習や研修に参加して、Zoomや提出物の受け取り方法を学んだ。
「そこまでは良かったんですけど、学校に来ている子どもたちにも、校内でiPadを使わせて、授業でも活用しようということになったんです」
若手の教員たちは、iPadで調べものをさせて、iPadで子どもたちに資料を作らせたりしはじめた。しかし、幸子さんは担当教科が古典だったので、従来通り、教科書の本文をノートに写させて、辞書で単語を調べさせ、文法事項や大切な現代語訳をホワイトボードに板書するという授業を行っていた。
「板書を取らずに、私が書いたものをiPadで写真に撮る生徒が続出しはじめたんです。本文をノートに写すのも、写真を撮ってそこに書きこんでいいかと聞かれるようになりました。辞書ももう誰も使っていないって言うんです」
自分の手を使って書き写すことで、古文特有の言い回しが身につくと考えていた幸子さんは、全てにNGを出した。辞書も、わざわざあの分厚いものの中から自分の知りたい単語を見つけ出し、その横や下に並んでいる単語もついでに目にすることに意味があるというのが、幸子さんの考えだ。
「そしたら今度は、隠れて写真を撮るようになりました。わからないことは全てiPadで調べるので、当てて答えさせようとすると、自分で考えずに隠れてiPadで答えを調べたりもするんです」
困り果てた幸子さんが若手の教員に相談すると、「先生が古すぎるんですよ。」と切り捨てられた。
「わからないことをその場で調べてはいけない理由がわからないし、写真を撮っていつでも見返せることの何が悪いかわからないって言われました。辞書なんて、持ち運びするだけで身体に負担がかかって健康に害。ゴミ箱行きですよなんていう人もいて…」
幸子さんはそんな若手の言葉には納得できなかったが、生徒たちの行動は彼女の予想を遥かに超えていた・・・・

これが私の授業で使う教科書一冊と問題集三冊。これを使え、と。
それだけじゃない。
・聞く事
・読む事
・話す事
・会話のやり取り
・書く事
の全てを評価基準にしろと。
いつ、新しい知識を蓄えるのでしょうか?
分かった上での話す事であり、やり取りであり、感想などを書く事なのでは?
少子化に伴い、天下り先の教科書会社が赤字になるのは当たり前。だからと言って印刷する本の種類を増やすという事でしょうか?
やるなら勝手にやれ。
それを正当化するために現場に持ち込な。
まだあるわ。
どーしてもこのポンコツChromebookを使わないといけないのか?
じゃあ言うけど、その前にもっとでかい机を買え!四冊とChromebook置く場所確保せーや!

Google製のOS「ChromeOS」を搭載したコンピューター「Chromebook」は、価格の安さやシンプルな操作性が評価されて、教育向けコンピューターとして学校教育において大量に導入されています。しかしChromebookは一般的なコンピューターよりも寿命が短く、修理が困難であるため、結果として学校にとって高額な出費を強いることが指摘されています。
'Chromebook Churn' report highlights problems of short-lived laptops in schools
https://pirg.org/edfund/resources/chromebook-churn-report-highlights-problems-of-short-lived-laptops-in-schools/
School Chromebooks are creating huge amounts of e-waste - The Verge
https://www.theverge.com/2023/4/21/23691840/us-pirg-education-fund-report-investigation-chromebook-churn
新型コロナウイルスの流行が始まった2020年初頭、新型コロナウイルスへの感染の懸念から、多くの学校がオンライン授業を行いました。アメリカの学校では、手ごろな価格で購入可能なChromebookを大量購入し、生徒に対して配布してきました。
しかし、アメリカ公益研究グループ教育基金(PIRG)が2023年に行った調査では、2020年に導入されたChromebookの多くがすでに寿命を迎えていることが指摘されています。
Chromebookの寿命を縮めている要因の一つが修理のしにくさです。学校での使用において、スクリーンやヒンジ、キーボードに対して落下や衝撃、振動、水没が加わることが想定される一方で、Chromebookの修理用部品は、それ以外のコンピューターの修理用部品よりも入手性が低く、分解のしやすさも低いとされています。また、交換用部品の価格も本体価格に対して割高で、PIRGは一部の企業のIT部門は部品取り用のChromebookを追加で購入していることを報告しています。そのため、PIRGは「Chromebookの維持にかかるコストの高さから、学校ではコストの削減戦略としてのChromebookの導入を再考する可能性があります」と指摘しています。
さらに、Chromebookを販売するメーカーが機能とは無関係なベゼルなどの部品の形状変更をモデルごとに行うことがあり、別モデルのデバイスからの部品の流用も困難であるとされています。以下の画像の上部はDellが販売する「Chromebook 3100」のベゼルで、下部は「Chromebook 3110」のベゼルです。Chromebook 3110のベゼルの下部に存在する小さな切り欠きなどによって、Chromebook3100との互換性はありません。
PIRGはChromebookの自動更新の有効期限システムについても指摘しており、GoogleがChromebookデバイスのモデル別にソフトウェアの自動更新ポリシーを定めている点について説明しています。記事作成時点でGoogleはChromebookの自動更新を8年間保証していますが、その期間はGoogleがそのモデルを認定した時点から開始されます。
そのため、学校にChromebookを導入する際には、購入や受領、セットアップ、展開などのプロセスを経る必要があるため、生徒が使用を始めた時点で自動更新の有効期限が迫ってきていることが一般的です。そのため、「デバイスの導入からわずか数年でソフトウェアの自動更新が停止されると、学校には電子廃棄物となったコンピューターだけが残されます。自動更新期限の短さから中古での販売が困難なChromebookは、学校に古いChromebookのリサイクル費用や新品のChromebookの追加購入を要求しています」とPIRGは指摘しています。
PIRGは「2020年に出荷された約3200万台のChromebookの寿命を2倍にすることができれば、460万トンもの二酸化炭素排出量を削減できる可能性があり、これは90万台の自動車が1年間走行した際に発生する二酸化炭素に相当します」と推定しています。またPIRGは、GoogleがChromebookデバイスにおける自動更新の有効期限システムを撤廃し、各デバイスのメーカーは交換部品の最低10%の量の過剰在庫を生産することでChromebookモデル間でコンポーネントの交換を容易にすることを要求しています。
さらにPIRGはGoogleに対し、Chromebookをリモート管理から簡単に登録解除できるようにして、Linuxのような別のOSをインストールできるようにすることを求めています。PIRGは「OSの選択は消費者の権利であるだけでなく、コンピューターの中古での出品や購入の価値を高めることができるでしょう」と述べています。
一方でGoogleの担当者はニュースメディアのThe Vergeに対して「Googleはハードウェアパートナーと協力して、Chromebookの保証期限の年数を増やしてきました。また、より修理が容易な使用済みリサイクルおよび認証済みの材料を使用してセグメント全体でデバイスを構築し、年数の経過とともに二酸化炭素の排出量を削減することができる製造プロセスを実行しています」と述べています。