
和歌山県は、建設中の国道168号「仮称2号トンネル」で残土から基準値を超える有害物質を想定以上に検出したため、いったん工事を打ち切る方針を固めた。当初契約で約70億円だった工事費が、このまま継続すると残土処理などを含めて約270億円に増大する。県が2023年11月1日に発表した。

和歌山県は、建設中の国道168号「仮称2号トンネル」で残土から基準値を超える有害物質を想定以上に検出したため、いったん工事を打ち切る方針を固めた。当初契約で約70億円だった工事費が、このまま継続すると残土処理などを含めて約270億円に増大する。県が2023年11月1日に発表した。

相賀側からNATM工法で掘削していたところ、残土から22年12月にフッ素を、23年9月にヒ素を確認した。フッ素については、1リットル当たりの溶出量が土壌汚染対策法の基準値0.8mgに対し、最大で3.1mg検出。ヒ素は0.01mgの基準値に対し、最大で0.05mg検出した。
23年11月3日までに380mを掘削。残土2万3000m3に対して試験を230回実施し、そのうち219回で基準値を上回った。基準値を超えた残土は、和歌山県御坊市にある民間の管理型処分場へ搬出した。