
大阪公立大学などの国際研究チームは観測史上、最大規模のエネルギーを持つ宇宙線を観測した。この宇宙線を構成する粒子を「アマテラス粒子」と名付けた。正体は謎で、発生源をたどれば、天体で起きる新しい現象の発見につながる可能性がある。
成果は24日、米科学誌サイエンスに掲載された。宇宙線は天体爆発などで放出される電荷を帯びた微小粒子で、宇宙空間から地球に降り注ぎ、大気と衝突すると、シャワー状に枝分かれして地表に届く。
研究チームは米ユタ州で国際協力によって進める「テレスコープアレイ(TA)実験」で宇宙線を観測した。面積3平方メートルの検出器507台を砂漠地帯に設置し、粒子を捉える。各機器で得られた信号情報などをもとに、宇宙線のエネルギーを推定する。
アマテラス粒子のエネルギーを詳しく調べると244エクサ(エクサは100京)電子ボルトだった。これは1991年に観測された史上最大の宇宙線「オーマイゴッド粒子」の320エクサ電子ボルトに次ぐ。
巨大なエネルギーを持つ宇宙線は、宇宙空間を直進すると考えられている。アマテラス粒子がやってきた方向をみると、既知の天体は存在しなかった。光では見えない未知の天体などが起源になっている可能性があるという。
アマテラス粒子の発見者となった大阪公立大の藤井俊博准教授は「宇宙線は我々の予想と違う方向から届いており、何かの道しるべになるのではないか」と話す。TA実験では検出感度を従来の4倍にするため拡張しており、高エネルギーの宇宙線をより高い精度で観測していく。

宇宙から地球に降り注ぐ極めて高いエネルギーを持つ「宇宙線」の観測に成功したと、大阪公立大などの国際研究チームが発表した。飛来方向に発生源となり得る天体などの候補は見つかっておらず、未知の天体現象の可能性もある。論文が24日、科学誌サイエンスに掲載される。

宇宙から地球に降り注ぐ極めて高いエネルギーを持つ「宇宙線」の観測に成功したと、大阪公立大などの国際研究チームが発表した。飛来方向に発生源となり得る天体などの候補は見つかっておらず、未知の天体現象の可能性もある。論文が24日、科学誌サイエンスに掲載される。
宇宙線は、光に近い速度で宇宙空間を飛び交う陽子などの小さな粒子。地球の大気にぶつかると新たな粒子が大量にできてシャワー状に降り注ぐ「空気シャワー」という現象が起きる。
チームの藤井俊博准教授(宇宙物理学)らは2021年5月27日の明け方(現地時間)、米ユタ州の巨大観測施設「テレスコープアレイ」で、普段の約100倍という極めて高いエネルギーを持つ宇宙線の検出に成功した。粒子1個で40ワットの電球を1秒間ともすことができ、1グラム集まれば地球を壊すほどのエネルギーになるという。チームはこの宇宙線を「アマテラス粒子」と名付けた。
発生源としては巨大な銀河の中心にある「超巨大ブラックホール」などが考えられるが、飛来したヘルクレス座の方向に見つかっていない。藤井准教授は「(銀河などの形成に関わる)暗黒物質や未知の素粒子が発生源となった可能性がある。我々が知らない宇宙の姿を解明したい」と話す。
松本浩典・大阪大教授(X線天文学)の話 「1年間で100平方キロ・メートルあたり1回以下しか来ない、極めてまれな超高エネルギー宇宙線を捉えたことに意義がある。観測の継続で、このような宇宙線が多く検出できれば、発生源がわかるかもしれない」

https://x.com/saveourplanet_9/status/1727985563079512071?s=20


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