光合成にまつわる100年以上の「謎」、水から酸素ができる瞬間の観察に成功…岡山大など研究チーム

光合成は植物が光のエネルギーを利用し、水と二酸化炭素から酸素と炭水化物を作る化学反応。100年以上研究されているが、水が分解されて酸素ができるメカニズムは不明だった。
岡山大の

今回はPS2の結晶に光を当てて光合成の反応を開始させた後、100兆分の1秒という極めて短い時間、X線を照射して分子の動きをコマ送りで観察した。
すると光を当てた100万分の1秒後、イスの角の部分にあるカルシウムに水分子が結合。5000分の1秒後に水分子が消えて酸素原子が出現し、200分の1秒後には酸素原子がイスの内側へ移動していた。この間、イスと周囲を取り巻くたんぱく質は柔軟に形を変え、反応を支えていることもわかった。

沈教授は「今後は酸素が分子となって外へ出て行く過程を突き止めたい」と話す。
天尾豊・大阪公立大教授(生体触媒化学)の話 「水が分解されて酸素ができる機構の解明に向けた大きな前進だ。今後、水分解機構の全容が解明できることを期待したい」