精神疾患で休職の教員、過去最多6500人 文科省の22年度調査

久永隆一

 精神疾患で2022年度に休職した全国の公立学校教員が6539人(前年度比642人増)に上り、2年連続で過去最多を更新したことが22日、文部科学省の調査でわかった。精神疾患で病気休暇(1カ月以上)を取った教員との合計も過去最多の1万2192人に上った。精神疾患による休職者・休暇取得者の割合は全体の1・42%だが、若い世代ほど割合が高くなり、20代の教員に占める割合は2・02%。若手の負担感が重いことをうかがわせる結果となった。

 文科省がこの日、22年度の「人事行政状況調査」の結果を公表した。都道府県・政令指定市の教育委員会を通じ、全国の公立の小中高校、特別支援学校などの教員の状況を集計した。

 同省は、業務量の偏りや保護者の過度な要求への対応などが、精神疾患による休職者・休暇取得者の増加の背景にあると分析している。

 休職した教員の内訳は、小学校が3202人とほぼ半数を占め、最多だった。以下、中学校1576人、特別支援学校872人、高校849人と続いた。

 性別では女性が3920人(女性教員の0・81%)、男性は2619人(男性教員の0・60%)だった。

 一方、精神疾患で1カ月以上の病気休暇を取った教員も加えた1万2192人のうち、20代は3096人。この年代に占める割合は2・02%。初めて2%を超えて過去最高となった。

 文科省は、経験がまだ浅い年代であってもクラス担任など負荷の重い業務を任されることが多く、それが要因の一つとみている。

 他の年代の割合をみると、30代は1・52%(3380人)、40代が1・40%(2627人)、50代以上は1・04%(3089人)。若い年代ほど割合が高い。

 文科省は「職場環境に深刻な課題がある。近年、ベテランが定年で大量に抜けて若手が増えるという教員の年齢構成の変化があり、若手教員のサポートをしていくなどメンタルヘルス対策を進めたい」としている。(久永隆一)