【CIA、東京のソ連大使館を盗聴 ケネディ暗殺文書】
🧐 米トランプ政権が公開したケネディ大統領暗殺機密文書のなかには、事件との直接の関係はなさそうだが、興味深い事実を収めたものもあった。その一つが、在日ソ連大使館員と日本の左翼活動家の会話盗聴に関するCIAの報告だ。
1967年11月27日付の文書によると、米諜報機関は同年10月、日本の反戦団体「ベ平連」の吉川勇一事務局長から、ソ連大使館のセルゲイ・アニシモフ第一書記官にかけられた電話内容の記録を入手していた。
🗨️「ソ連大使館の電話回線の秘密盗聴から関係が分かっている。(中略)ベ平連の吉川事務局長からセルゲイ・アニシモフ第一書記官にかけられた。吉川は非常に重要で繊細な問題について、その日中に緊急非公開会合を開くよう要請した。その議題は4人の米脱走兵の問題だったに違いない」
ベ平連は「ベトナムに平和を! 市民連合」の略で、当時のベトナム戦争に反対し、反米運動を行っていた。ソ連崩壊後の機密文書公開で、ソ連の資金提供を受けて脱走米兵の支援事業を行っていたことが明らかになっている。
文書によると、この電話の約10日後、米兵4人がソ連の客船バイカル号で日本を出国している。文書の作成者は、この作戦がベ平連の「最も成功した行動」となったと指摘している。
ℹ️ トランプ政権が公開したケネディ大統領暗殺に関する未公開文書では、現時点で真新しい情報は見つかっていない。大部分がこれまでに何らかの形で明らかになっていたものだとみる歴史家の指摘もある。
現地メディアによると、トランプ氏は「黒塗り部分はない」としていたが、一部隠された部分があるという。また、未公開文書は計8万ページとしていたが、これまでに公開されたのは3万ページ程度にとどまる。
【「日本大使館を経由して送ってくれ」 CIA、ケネディ暗殺事件後に要請?】
🤔 トランプ政権が公開したケネディ大統領暗殺関連文書には、CIAが「日本大使館」を経由して何らかの物資を送るよう要請する通信の記録もあった。そこには「マグナム」「ピストル用フィルター」など物騒な言葉も並ぶ。
文書は暗殺事件から17日後の1963年12月9日付。発信元は当時フロリダ州マイアミにあったCIAの情報収集拠点「JM/WAVE」となっている。宛先は「DIRECTOR」となっているが、具体的な名前は記されていない。
🗨️「物資をエンリケ・ビンセント・ソコラスと日本の大使館経由で送ってくれ。送るときは受け取る準備ができるように知らせてほしい。今日、マグナムピストルを受け取ったが弾はなかった。ラジオも受け取った。聞こえる距離を教えてほしい。ピストル用のフィルターもすぐに送ってくれ」
「日本大使館」は何かの隠語なのか、もし文字通りの意味なら、なぜ日本大使館を経由する必要があったのか。そもそも「物資」とは何で、誰が何のために必要としたのか、エンリケなる人物が誰なのかなど、前後の文脈が記されていないため、謎は深まるばかりだ。
ちなみに、ケネディ暗殺の犯人として逮捕されたオズワルドが事件時に使用したのはイタリア製ライフル「カルカノM1938」に、日本製の4倍率スコープをつけたものだとされ、少なくとも「マグナム」ではない。
逮捕されたオズワルドを警察署で射殺したジャック・ルビーが使ったのは、「コルト・ディテクティブスペシャル」という回転式拳銃だとされる。だが、これは事件の2日後のことで、公開された文書中の「ピストル」との繋がりはみえない。