韓国紙の1面に最近、40代に関する二つのニュースが掲載された。同世代なので思わず読み込んだ。 ■韓国で40代に関するニュースを掲載した紙面【写真】 一つは2024年の死因トップが初めてがんを抜いて自殺だったというもの。10~30代で自殺が多いのは日本も同じだが、日本の40代はがんが1位。韓国メディアは失業や債務などの経済的理由が背景にあるとする。 もう一つは体格指数(BMI)が25以上の「肥満」の40代男性が急増しているとの記事。24年は前年比11・5ポイント増の61・7%と過去最大で、10人中6人が該当することになる。20、30、50代はいずれも50%を下回る。40代は管理職になるなどして急激にストレスを受ける世代というのだ。
大量の仕事と責任を抱え、高額な住宅費や教育費の負担で途方に暮れる。つい飲食しすぎて肥満になるだけならまだいいのだが、自殺に追い込まれているとしたらやるせない。生活困窮のきっかけは自殺の数年前に生じた可能性があり、原因究明には新型コロナ禍までさかのぼる必要もありそうだ。韓国ではこの現象を「国家災害」と呼ぶ。社会構造に起因するのなら、その通りかもしれない。 (竹次稔)
